about kiryu
わたしたちの暮らす桐生
桐生は日本の機どころ
古来より繊維産業や織物産業が盛んな「繊維の街、桐生」。
養蚕・製糸・機織の技術の歴史は千年を超え、
今日も受け継がれています。
衣服などを製品化するまでの間の工程
(デザイン、撚糸、染、織、刺繍、縫製など)の技術が集積。
それぞれの分野の職人たちが暮らし、工場が立ち並ぶ街です。
しかし、現在では人口の減少や技術者の高齢化により
減少しつつあります。
継ぐ人がおらず閉鎖した老舗工場、
安価で大量生産が可能な海外生産への移行、
化学繊維の普及により減少傾向の天然繊維産業...
この現状を打破し、伝統ある技術を守り、
歴史を受け継いでいくことがわたしたちの使命であり、
故郷、桐生への恩返しだと考え、
国内のみならず世界へ発信できる「なにか」を探し始めました。
そしてわたしたちがたどり着いたのが、
「All Made in 桐生」でした。
繊維からカタチにする縫製まですべての工程を桐生で行い、
世界に発信し桐生の魅力を知ってもらうことで、
繊維産業の活性化や技術の継承者の増加に
つながるようにと考えました。
それが「キリジャン」立ち上げのきっかけとなりました。
silkworm culture
養蚕活動
製品に使うシルク。
養蚕から自分たちの手で
養蚕産業は桐生の伝統、歴史のひとつ。
蚕という虫が作る繭から採取できる絹は
いつの時代も重宝される天然繊維です。
その蚕を飼育し、絹を生産することを養蚕と言い、
日本、そして桐生の主要な産業のひとつでした。
しかし現在の養蚕農家の数は1989年の57,230戸から
2020年には228戸にまで減少し、
30年余りで95%が消滅しています。
桐生市のある群馬県では日本の繭生産の4割近くを担っていますが、消えゆく産業の波は他人事ではありません。
この歴史ある産業を絶やさぬため、
わたしたちは2016年より養蚕の活動を始めました。
わたしたちが生産した繭は「ぐんま200」と言い、
年4回の収穫で約500㎏を生産しています。
「ぐんま200」は繭糸の太さや色のほか、
糸のほぐれ易さ、染色性の良さなどにおいて
特徴があり、高級呉服や洋装品、
ニット製品などに幅広く利用されている
ぐんまシルクを代表的する絹糸です。
職人の手しごと
Craftsmanship
群馬県民は誰もが知っている上毛かるたでも
「桐生は日本の機どころ」と謡われているように、
桐生は和装・洋装などのものづくりの歴史が深い街です。
洋服づくりの一番元となる繊維工場があり、生地を織る機屋、
織られた生地を染める染色工場、カタチにしていく縫製工場、
服を彩る刺繍やプリント工場、キレイにプレスする仕上げ屋などが
現代でもあちこちに存在します。
キリジャンを手掛ける
有限会社トラストインターナショナルは
縫製を中心とする工場であり
製品は自社で縫製しています。
キリジャンの一番の特徴である華やかな刺繍は、
たくさんある刺繍の方法の中でも特に技術を要する、
日本独自の技法「横振り刺繡」です。
横振り刺繍は左右に針が動く横振りミシンを使い、
職人の手で図案通りに絵や柄を起こしていきます。
まさに職人技が光る技法なのです。
足元にあるペダルで刺繍のスピードや
針の振れ幅を調整し、
図柄に沿って手を動かしながら仕上げていきます。
さらに一度縫った縫い目の上に刺繍を重ねることで、
コンピューター式ミシンの刺繍にはない
厚みや立体感が生まれ、
まるで絵画のような美しい刺繍に仕上がります。
熟練した職人だけがなせる刺繍の技は、
桐生だけでなく日本の誇り。
世界に横振り刺繍の美しさを感じてほしいのです。